Q.外壁を塗り替えたいがどのような塗料を選べばいいか分からない
A.
塗料を選ぶ際のポイントとしては主に以下の項目があります。
この中からご自身が最も優先する項目を決めていただき、商品を選ばれる事をおすすめします。
一般的にはアクリル→ウレタン→シリコン→ふっ素樹脂の順で性能が高くなり、その中でも1液型よりも2液型の方が密着力や性能が高くなります。主に価格も性能に応じて高くなります。
優先項目を決めていただく他にも、塗り替え前の状態確認が必要となります。
例えば、
このような不具合が発生している場合は、建物内部に雨水が浸入している可能性があります。
その場合せっかく耐久性や耐候性に優れた高価な塗料を使用しても塗料の剥がれや膨れが発生する場合があります。
不具合箇所を補修または修繕した後に、塗り替えされることをおすすめします。
上塗り塗料
パーフェクトトップ【日本ペイント】
[特徴]
1液の水性塗料です。価格もお手頃で塗りやすく、耐候性や耐久性もバランスの取れた商品です。ラジカル制御という新しい技術の先駆け塗料です。また、バラの香り付きの「パーフェクトトップローズ」という商品もあります。
↓↓↓パーフェクトシリーズのカタログは大変見やすくおすすめです
ファインパーフェクトトップ【日本ペイント】
[特徴]
1液の弱溶剤塗料です。水性の「パーフェクトトップ」と同じくバランスの取れた商品です。水性との大きな違いは、施工の季節を選ばない点です。メーカー問わず水性塗料は、乾燥するまでの過程で湿度の影響を受けやすいため、梅雨時期や冬時期の施工時は、こちらをおすすめしています。
Q.トタン屋根の一部が錆びてきたため補修したい
A.
まずは錆が発生している部分をできるだけ除去して下さい。
トタンに限らず鉄部に発生した錆面を除去することを「ケレン」または「素地調整」と呼びます。
どんなに優れた性能の塗料を使用しても、「ケレン」が十分されていない場合は、本来の性能を発揮することができませんのでご注意下さい。
「ケレン」についてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
すでにご存知の方も多いと思いますが、「ケレン」後は必ず乾きの早いラッカーシンナー等で脱脂を行い、塗装面を清潔にしてから塗装して下さい。水分、油分、不純物が残っている場合は、塗膜が剥がれる原因になります。
錆止め塗料
速乾PZヘルゴンエコ【日本ペイント】
[特徴]
塗りやすい1液弱溶剤で鉛・クロムを含まない錆止め塗料です。
JIS K 5674-1種 合格品で、公共工事などでも多く使用されています。
塗り重ね乾燥時間が16時間以上(気温23℃)と乾燥の遅い塗料ですが、4時間以上(気温23℃)で塗り重ねできる、乾燥の早い「超速乾型PZヘルゴンエコ」という商品もあります。
1液ハイポンファインデクロ【日本ペイント】
[特徴]
塗りやすい1液弱溶剤で速乾変性エポキシ系錆止めです。
こちらも鉛を配合していない、環境にやさしい錆止め塗料です。4時間以上(気温23℃)で塗り重ね出来る作業性と高い防錆力を兼ね備えています。
上塗り塗料
シリコンルーフⅡ【日本ペイント】
[特徴]
塗りやすい1液弱溶剤のシリコン変性樹脂塗料です。2時間以上(気温23℃)で塗替えできる作業性のため、湿度の影響を受けやすい冬場の施工も安心です。下塗りを変えればスレート(コロニアル)屋根にも使用できます。
Q.工場の床の塗装が傷んできたので塗替えたい
A.
壁と違い、床は耐摩耗性が求められます。
特に工場の床は、人が歩くだけでなく、フォークリフトや台車など、重量物を運ぶことも多いため、できるかぎり耐摩耗性の高い塗料をご使用されることをおすすめします。
但し、塗替え前の状態によっては、旧塗膜が縮む(リフティング)場合があり、使用できない塗料がありますので、下記項目についてご確認をお願いします。
屋外 or 屋内 ※屋内であっても、常に日光が当たる箇所は屋外用の塗料を選択ください。
コンクリート(モルタル)、強化コンクリート(フェロコン)、アスファルト、鉄部etc
大きなひび割れや欠けている箇所がないか
油汚れがないか
塗膜の剥がれ等がないか
ラッカーシンナーによるテスト※
※シンナーテスト
以前ご使用された塗料が分かる場合は、メーカーと商品名を教えてください。もし、分からない場合は、ラッカーシンナーを旧塗膜に数滴落として、指の腹でこすってみてください。塗料が溶けて、指に色が付着した場合は、強溶剤アクリル系の塗料だと推察できます。塗料が溶けない場合は、強溶剤エポキシまたは強溶剤ウレタンだと推察できます。シンナーを落とした直後、塗料が膨れた場合は水性エマルジョン系の可能性があります。
下塗り塗料
ユカクリート プレタイト【大同塗料】
[特徴]
2液の強溶剤エポキシ下塗り塗料です。必ず、専用シンナー(プレタイトシンナー)をご使用ください。各種旧塗膜塗料の付着性に優れています。コンクリートだけでなく、鉄部にも使用頂ける汎用性の高い塗料です。但し、アスファルトや強化コンクリートは不可。
旧塗膜が強溶剤アクリル系の場合は、40時間以上(23℃)間隔をあけてから上塗して下さい。
旧塗膜が強溶剤エポキシ、または強溶剤ウレタンの場合は、6時間以上(23℃)間隔をあけてから、上塗りしてください。
乾燥時間が不十分な場合は、縮む(リフティング)場合がありますので、ご注意ください。
※旧塗膜が水性エマルジョン系の場合は使用できません。
上塗り塗料
ユカクリート 床雅【大同塗料】
[特徴]
2液の強溶剤で薄膜速乾エポキシ樹脂上塗り塗料です。耐摩耗性や耐久性に優れています。3時間以上(23℃)で塗り重ねできる速乾型のため、作業性に優れています。但し、施工後24時間以上は、フォークリフトや重量物の運搬は控えてください。
ユカクリートAU 【大同塗料】
[特徴]
2液の強溶剤で薄膜アクリルウレタン樹脂上塗り塗料です。耐摩耗性に加え、耐候性や耐薬品性にも優れているため、屋外使用も可能です。5時間以上(23℃)で塗り重ねできます。但し、施工後24時間以上は、フォークリフトや重量物の運搬は控えてください。
Q.ウッドデッキの塗装が色褪せてきたので塗り替えたい
A.
庇(ひさし)の有無など、ウッドデッキの設置状況により異なる場合がありますが、多くの場合、日光や雨が直接あたる環境です。その上、人が歩くこともあり、耐摩耗性が求められます。
塗替え前の状況をまずは、ご確認ください。見た目だけで塗替え前の塗料を特定することは不可能ですが、大きく分けて3つのパターンが想像できます。
もし、塗替え前の塗料がお分かりになる場合は、メーカー名や商品を教えてください。
ウッドデッキ塗替えに関しては、過酷な状況下のため、3~5年程度でのメンテナンスをおすすめします。見た目のみならず、継続的なメンテナンスをすることで、木材を 保護(防腐・防カビ・防虫)することが出来ます。
塗り替え前の状態が 1 、 2 の場合
キシラデコール アクオステージ【大阪ガスケミカル】
[特徴]
膜を作らない水性含浸タイプです。木目を生かす浸透性材料のため、塗膜剥がれがありません。また、塗替え時、着色しづらい浸透性の欠点を補う、高着色タイプです。耐候性に加え、耐摩耗性に優れているため、ウッドデッキに適しています。
塗り替え前の状態が 3 の場合
キシラデコール コンゾラン【大阪ガスケミカル】
[特徴]
膜をつくる水性造膜タイプです。すでに木目が消えている場合は、塗膜剥がれのリスクは避けられません。ただ、一般的な造膜塗料と比べて、柔軟性、通気性、密着性に優れています。色つきが良いため、灰色化した木材でもきれいに仕上がります。もしも、吸込みの激しい場合は、専用の下塗り(コンゾラン下塗り剤)をご使用ください。
塗装後すぐは塗膜が安定していないため、1週間程度はなるべく人が歩かない事をおすすめします。